ワルツの身上

hanasakaoba2008-10-25


稲刈りが済むと、なぜかネズミが家に侵入してくる。戸締まりに気をつけても姫ネズミなど小さいから防げない。倉庫には収穫した物が保管してあるので、義父がネズミ取りを仕掛けた。ところが、かかったのは子猫だった。うちの周りを縄張りにしている猫が産んだ、まだ幼い子猫だった。粘着シートにベッタリ貼り付いて、身動きできず衰弱している。このままでは死んでしまう。でも近づくと必死に威嚇する。バラの手袋をして一気に剥がした。もの凄い悲鳴をあげ、私の手をすり抜けて逃げて行った。見ると足が不自由らしい。ねずみとりのせいだろうか?心配する私に、助けてもらったお礼より恨めしそうな顔をして、そのうちいなくなった。
足がどうなったか気になったが忘れかけた頃、この猫と思われる猫が現れた。そして翌日、我が家に、念願の合格通知が届いた。そんなことが数回あり、私にとっては福猫、猫来ス慶事。猫だって恩は忘れないのだ。
五匹の子猫を家のガレージで産んで、交通事故で死んでしまったのがその猫だとしたら、いや父親かもしれないが、子猫達の面倒をみなくては。それが私の猫ミッション。そう思って産まれて数日の子猫を育てあげ、全員は飼えないので、心やさしい隣人にもらわれていき、新幹線で京都までいった猫もいるが、最後に残った猫を家で飼うつもりだった。
ワルツはとても気の荒い性格で、他の猫が食べようとしても押さえつけて自分が食べるほどで、生育はよかった。ところが一匹・二匹と居なくなるにつれ従順になり、今では名前を呼ぶと振り向いて返事する。ミャ〜。なんて賢いのだろう!親馬鹿につける薬は無いようだ。