カラポン

若者向けのテナントビルで買い物をしたら、ガラポン抽選券をもらった。帰りがけに寄ってみた。驚いたことに、あの六角形の抽選器がタブレット端末くらいの大きさのタッチパネルになっている。画面のハンドルをスマホの指の動きと同じように人差し指で繰ると、器械がまわって白い玉が出てきて、ご丁寧に‘ハズレ’の表示。福引なんかで、ガラポンのハンドルを回す時の、箱のなかで白い玉、黄色い玉、赤い玉が動いている感覚が無い。箱の中にどのくらい玉が入っているかのリアリティーがまったく感じられない。当然、当たるかなのワクワ感もない。〔指先にばかり集中したから?〕はずれの白い玉しか出てこないような気がして、味気ない思いでビルから出てきた。
沈丁花がさいて、辺りはいい匂い。