花見せんべい

城跡の公園が桜の名所で花見の場所だった。坂道を上って、縁日のような賑わいが子どもには楽しみだった。
ゆきえちゃんの家がかならず店を出していた。この時期、心太が仮設の店の定番メニューで、客の前で器について、口のところに杉の枝を差し込んだ一升瓶から酢をかけて出してくれる。おみやげは、しの竹に結んだ直径20cmほどのせんべい。これをぶらさげている人は花見の帰りになる。
桜の時期の雪に、子どもの頃の花見を思い出した。