Freude☆

ドイツ語の歌詞ができないまま、あれよあれよと第九の本番。当日のゲネプロは初心者には戸惑いばかり。私は二千人の聴衆を前にしてあがるより、ライトで汗だく。ステージで拭くわけにいかず、身動きできず苦痛。男声は正装に蝶ネクタイだからもっと暑かったと思う。
そんな中で、今をときめく女性マエストロ、タキシードでタクトを振る姿はまさに男装の麗人でクール。車のテレビコマーシャルは重厚な印象だけど、目の前でオーケストラの指揮をする姿は攻撃的。
おっと、私にそんな余裕はない。長年の夢のステージは緊張の中であっという間だった。
拍車が鳴り止まない。ホール中に歓喜が響きわたり、客も団員も感動でいっぱいの夜だった。