チョロギの思い

おせち料理の品々でチョロギのインパクトは大きい。私が始めて見たのは母の実家。チョロギをすすめられた時は、身を乗り出して見つめてしまった。その形状は虫みたい。味の記憶が無いから遠慮したかもしれない。
長呂儀の漢字は、それだけで薬効ありそう。
数年前ポット苗で売っていた。育ててみた。夏、セージのような花が咲いた。霜が降りる前に芋堀みたいに掘った。巻貝みたいになって出てきた。厄介なのは泥。亀の子だわしでは隙間の土をきれいに落とせない。困り果て、歯ブラシで落とした。チョロギ自体が小さいからこの仕事は疲れた。業者はおそらく高速洗浄だろうが、手作業では細かく大変。
それでも祖母は正月みんなが集まるのを楽しみにして、こんな面倒なことを厭わずに、作っていたんだと思った。チョロギは祖母の思い出につながる。
取り残したものが出てきて花を咲かせるが、収穫する気は無い。球根と同じように花を楽しんでいる。