“ゆい”と“さなぶり”

hanasakaoba2008-06-05

梅雨入りして雨の中に水田がひろがっている。田植えはどこもだいたい五月中旬くらいで終わったようだ。田植えが済めばさなぶりだが最近聞かない言葉になった。
今のように農業が機械化しない頃は、当然田植えは数日かけて前かがみの姿勢で続ける訳だから、疲労は相当。終わった喜びはひとしお。そこで席をもうけてさなぶりとなる。
この田植えの人手確保がゆいと言って三日来てもらえば相手のところに同じ日数田植えに行くというやり方をしていた。たぶん日程の調整は話し合っていたのだろう。人の手でやるには農家は共同体となって助け合うしかない。結びつきも堅固なはずになる。
稲刈りが済んで一連の作業終了で“秋じまい”。母はそれで、上野に落語を聞きにいったりした。おそらく、腹の底から笑っていたにちがいない。

農村は・・ やり方も人の気持ちも変わってしまった。